先の東日本大震災は震害よりも津波による被害が大きかったと言われますが、それは地震活動が持つ莫大なエネルギーが海洋に伝播したことによって齎されたもので、海が巨大なエネルギー源であることを改めて認識させるものでもありました。
津波はそのエネルギー量には莫大なものがありますが、それはあまりにも大きすぎて利用できません。しかし、地球と月とによって作られる潮の干満のエネルギーならば十分に利用できそうです。これを利用した発電を潮力発電と言いまして、太陽光発電以外の自然エネルギー源の一つです。
大潮の時の潮の干満の落差は数メートルにも及ぶことがありますので、それは大きな位置エネルギーを潜在しております。この干満の変化の運動エネルギーを回転のエネルギーに変換させることによって発電機を回すのが、潮力発電の原理です。
ただ、小潮や長潮の時にはそのエネルギー量が少なくなるのが問題で、つまり、潮の干満の周期に伴って発電電力量が変動するのです。そこで、海洋の波の持つ運動エネルギーを利用する波力発電と組み合わせることによって、ある程度は変動の影響を抑制することができます。この波力エネルギーには太平洋側では台風のある夏に大きくなり、日本海側では季節風の吹く冬に大きくなる季節波動があります。